- 30.8.25 -
協同組合さわやかグループ
鯖江市本町4-10-7
TEL 0778-51-0600 担当・田畑

地域産業と 今後の企業経営 夏期講座で研修
歴史経路で辿る 福井産業の未来
福井県立大 南保勝教授

協同組合さわやかグループの夏期講座が、8月24日あわら温泉グランディア芳泉で開かれ、ゆばな会の協賛を得て80名が参加した。園幸雄理事長の挨拶に続いて、南保教授の35頁にわたる詳細なテキストで研究成果と、今後の経営指針も示された。

北前船で三国、敦賀、小浜湊 ネットワーク拠点
県産業の歴史では、小浜、敦賀、三国が大陸文化を伝える玄関口として広域ネットワークの拠点だった。17世紀後半から北前船が海の総合商社として活躍した。
その伝統が今も息づいている。織物・綿糸・油蝋類をはじめ釘、刃物、農具など金属加工品を生産、各地に金、銀山の跡地が残り、明治初期には金属加工が盛んだった。

粘り強い労働力と女性参加
地場産業を支えたのは粘り強い県民性と、良質で勤勉な働く女性の力があった。明治の殖産興業として栄えた繊維産業は、江戸時代から女性が重要な労働予備軍として担い手となった。それを支えたのは浄土真宗の教えが見逃せない。三世代同居で嫁は働いて当然という地域風土があった。

 

進むグローバル化と 福井県の移輸出
外国に進出する企業は、中国103社、タイ26社、ベトナム20社、米国15社など157社に及ぶ。新規市場開拓、生産コスト削減、取引先などに同調が目的。
県際収支は124億円の移輸出超過で、電力・ガス・熱供給の4369億円、電子部品が2107億円、繊維製品1427億円に達している。

福井地域の可能性 優位な条件そろう
今後の指針としてシュンペーターの創造的破壊がカギとなる。市場は多様化・高度化・細分化が集積する福井県にとって最大のチャンス。高い技術、従業員に優しい企業が多く発展の可能性が高い。選択と集中、差別化の3Sを生かす経営を期待したい。     北陸新幹線の効果を問う   講演のあと「北陸新幹線の経済効果」について質問があり、「金沢までの実績をみると、北陸圏への来客数の増加などが期待できるが、未知数の部分も多く地元の企業努力に寄るところも多い」と答えた。